寒河江幹です。
「おはようございます。わらび採ってきた。今、米沢にいます」
御成山公園にいます。
「ここから見ているとね、米沢牛が信号待ちして横断歩道渡ってる。さすが米沢牛」
米沢盆地が見下ろせる高台のベンチに座ってお手紙を読みます。
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【山形交通 旧高畠駅 駅舎】高畠町
四人兄弟のバッチとして、私は高校を卒業するまでの十八年間を山形県高畠町で育ちました。
幼いころから父は病気がちで、二人の兄は職を求めて都会へと旅立っていきました。
兄たちの帰省を指折り数えては、駅舎の待合室でだいぶ前から待っていたのが昨日のようです。
改札口から出てくる乗客の中に、年を重ねるごとにおしゃれになっていく兄たちを見つけては自分だけが取り残されているように感じていました。
高畠駅の改札口から旅立った幼馴染や兄たちが、服装や言葉までもが洗練されて返信して同じ改札口へと戻ってくる魔法にかかる駅舎です。
それから自分の憧れの駅舎になりました。
出発。
山の斜面を一気に下ります。
途中止まってジャンプ台を見ます。
現在も使っているということですが、今は草が生い茂っています。
ジャンプ台を見ながら話はパラグライダーやスカイダイビングの話になっています。
「たぶんパラシュート開けないと思うよ。降りた瞬間に気絶しているもの」
米沢の街に下りてきました。
さくらんぼの果樹園が広がっています。
緑の小さな実が芽吹いています。
最上川沿いの自転車道を軽快に走ります。
河川敷でラジコンをやっている若者をしばらく見学します。
オレンジのヒコーキが大空に舞い上手に着陸しました。
ギターとコンガと口笛のBGMが軽快になりだしました。
田植えはまだのようです。
お花畑で休憩。
土手にチャリオをおいて下に下りて行きました。
「白鳥観察テラス」
窪田水辺を見ていると魚がバシャバシャやっています。
「あんなでかいからサバかな?」
「コイだコイ、5匹いるぞ」
「たぶん腹がかゆいからこすりつけてんだ」
笛のBGMです。
川の向こう岸を一列で走る一行を、Bカメが捉えます。
「あっ、あそこに地図がある」
現在のJR高畠駅は立派です。
駅前の地渦で確認すると、まほろば緑道を道なりに進めばよいことがわかりました。
緑のトンネル、まほろば緑道をすすみます。
向かい風が強く、ヒューヒューとマイクで集音されるほどです。
「まほろばきついですね。ガタンガタン、駅はまだか、ガタンガタン」
木琴のBGMが終わると駅が見えました。
とうちゃこ。
高畠石で建てられている瀟洒な建物です
古い電車も置かれています。
「こういうのが好きな人は好きなんだろうな」
「この駅舎立派だな」
中を覗き込みます。
ここで待っていたであろう校内のベンチが映し出されました。
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