火野正平とうちゃこ日記（607）2017年秋の旅 愛知県 豊明市 BS日本縦断こころ旅

寒河江幹です。

2017年秋の旅、668日目は愛知県豊明市です。
「おはようございます。ここがどこだかまだ分かっていません」
真っ赤なキャップを被った正平さん。
蟹江川水辺スポットにいます。
滑り台下の椅子に座ってお手紙を読みます。

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【国道1号線前後交差点から北東に伸びる坂道（けやき通り）】豊明市

この道を通ったのは今から30数年前です。
結婚が決まり豊明に住むことになりその準備のために両親と訪れた時です。
それまで濃尾平野の真ん中の蟹江町に住んでいた私には、坂道というと近くの川の堤防へ続く道だけでした。
そんな街から前後交差点をまわった時目にした光景に大変驚きました。
わずか5〜600ｍの距離で道が一気に下り、また同じだけ登っていてその先が空になっていました。
その坂を登り切ったところに公園があり、商店が続き私がこれから住む町が広がって、気持ちがワクワクしました。
冬の寒い日は遠くの雪山が見えたり、渋滞で下り坂から上り坂までつながったり、今思うと結婚式よりもあの時この坂を登り切ったほうが私の新しい生活のスタートというのにふさわしいのではないかと思えます。

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地図を広げます。
豊明市はすぐに見つかりました。
名古屋市を抜けて指をまっすぐ左によせて蟹江町を見つけました。
今日は27�qという、長い距離を走ります。
出発、カワヤの前で奥様二人がお見送り。
住宅街を走ります。
「港区だから名古屋か」
いつの間にか名古屋に入っています。
保育園児がお散歩です。
「ほんと平だ、いいとこや」
2車線ある大きな通りの交差点で止まりました。
オートプラザキリックスのキリンのオブジェ。
ある奥様が自転車でやってきて
「がんばってください。初めて見ました」
と応援。
「初めて来ました」
と応酬。
川を渡りランチです。
“カモメが見える喫茶店”ミックスサンドとバナナジュースを注文。
「いただきます。こういうの食うの恥ずかしいな」
確かに初めて見ます。

大きな交差点に出ました。
チャリオを押して橋を渡ります。
「ＡＫＡＮＯＲＥＮ」というスーパーの看板に正平さん反応します。
「赤のれん？名古屋駅向うじゃない。俺ね17〜18の時赤のれん前でサイン会したことあんの」
武家屋敷のような家々が並ぶ街を通ります。
絞りで有名だそうです。
「ありまつ」
の絞りの暖簾が家々にかかっています。
「暑くてばてた」
お茶にします。
“美味しいパンあるよ”の看板があるお店に入り冷やしぜんざいを注文。
若い女の子が次々注文品を運んできます。
「奥にきれいな子皆隠れてんの？」
女将さんが
「正平さんってすっきりされましたね、髪の毛」
するとＳＮＳで濱田岳の写真を出し、
「息子ですか？」
次に若い頃の正平さんの写真を出すと、本当にそっくりです。
「なかなかの女殺し！」
「うるさいわ！」
たじたじとなって逃げるように店を後にします。

1号線に出ました。
反対車線は渋滞しています。
空にぽっかりうろこ雲、軽快に飛ばします。
豊明市前後交差点を左折します。
しばらくするとその道がありました。
「あ〜こういうことか」
ケヤキ並木が続くその道は確かに下って、それから上ってその先に空が見えます。
意を決し、その坂に挑みます。
下って、上ります。
頂上付近でもう一度ギアチェンジして上り切りました。
「よっこらせ、来た」
坂の上の公園にチャリオを置いて、歩いて戻って再びお手紙を読みます。

「あのね、けーちゃんこのくらいの坂は毎日やらされてんですよ」
「秋だというのにいつまで暑いのか？ちょっとばてた」
少し暗くなってきました。
車が行き交う、けやき通りが映ります。

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