火野正平とうちゃこ日記（612）2017年秋の旅 三重県 志摩市 BS日本縦断こころ旅

寒河江幹です。

2017年秋の旅、672日目は志摩市です。
正平さん、青のワッチキャップにダボっとしたサルエルパンツ。
「おはよう。なんと30分前までは雨だったのよ。横山展望台にいます。英虞湾です。ずっと向こうは太平洋」展望台から海が見えます。
テーブルのあるベンチに座ってお手紙を読みます。

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【和具】志摩市

和具は教師をしていた父の赴任地です。
昭和13年〜16年ごろ和具の小学校に勤めていたと思います。
伊賀の山国で育っているので幼子を連れての海辺の生活は大変だったろうと思います。
しかし漁師町特有の人々の温かさ、食べ物のおいしさ、何よりも海の雄大さに惹かれ一生忘れられない土地になったようです。
私は小さかったため覚えていませんが、両親からよく鍋島医院の横の道を通るとすぐに海に出るとか、一緒に勤めた先生の話、元気な島の子供たちの話を覚えています。
両親の晩年どこか行きたいところがあるか尋ねると二人とも口をそろえて「和具」に行きたいと言いました。
平成8年8月30日、私の息子の運転で孫、曾孫も一緒総勢8人で鳥羽経由で和具に行ってきました。両親はどんなに喜んだかわかりません。
和具の海に着くと父は靴を脱ぎ波間に足をつけて、しばらくの間何も言わず、黙って遠くを見つめておりました。私は少し離れたところで母の車いすを押しながら父の帰ってくるのを待っていました。
少しだけ親孝行の真似ができたと思っています。

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お手紙には海を背景に車いすの母と筆者の写真が添えられていました。
「あの橋の向こう側が和具なんです」（監督）
「あの丸いの？」
まず賢島（かしこじま）を目指し、今日も坂を下っていきます。
「踏切渡りま〜す」（監督）
止まっていると
「正平さ〜ん」
と車の中から手を振る若者がいました。
（男性なので無視します）
踏切を渡って右折すると賢島駅に出ました。
イワジン真珠の看板を左折すると、船の発着所。
賢島エスパーニャクルーズの看板が目立ちます。
食事です。
「てこね寿司って何？」
と言いつつ注文。
奥の方で奥様二人が食事中のところへちょっかいを出しに行きます。
「しまったセットにすればよかった」
カツオのズケ丼のようです。
二段重ねでした。

和具行きの船に乗ります。
海では所々で作業する方がいます。
「真珠かなぁ」
Bカメが陸の高いところからクルーズ船を見下ろす形で撮っています。
正平さんデッキにたって手を振ります。
和具の港に着くと目の前のお店で小学校の場所を聞きます。
「これで案内してくれへん」
店主がママチャリでナビゲートしてくれました。
「九州で船の事故で今こっちにいます」
「いい時帰ってきたな、テレビに映るよ」

商店街の細い道を左折すると小学校がありました。
「これは立派やな」
今風の鉄筋コンクリート造りです。
門には「志摩小学校」となっています。
そこへ正平さんに気づいたおばはん二人が登場。
「火野正平さんか？テレビではいつも見とんのになぁ」
「これ和具小？」
「去年変わった。小中一緒」
鍋島医院もありました。立派な病院です。
そこから道なりに行くと海に出ました。
そこは漁港でした。
海沿いを走り地図を見ます。
写真と見比べ、その写真の場所は「広の浜」と推測。
道を戻ります。
「あれ？」
行き止まりです。
近くで作業をしているおばちゃんに
「広の浜行きたいんだけど自転車で（行ける）？」
おばちゃん手を止めて、50�tのバイクに乗ってナビゲートしてくれることになりました。
ブイ〜ン。
「お母さん、そんなはよー行ったらいかんて。ちょっと待ってー」
バイクで坂を上りさっさと右折してしまいました。
正平さんが右折したころには姿が見えません。
「お母ちゃん行ってしもうた」
松井酒店を抜けても
「いない」
細い路地を行くと浜が見えました。
「あんないい加減な道案内おらんわ」
と分岐点で迷っていると下からお母さんがやって来ました。
「こっちの道の方がいいかな」
そしてさっき作業していたのはワカメではなく
「あらめ」
だそうです。
路地を下って左折します。
「こういうことやな」
海に出ました。
波消しブロックが沖に並んでいます。
波の音がします。
写真と見比べます。
とうちゃこ。

写真ポイントの砂浜に座って再びお手紙を読みます。
今日はいい天気に恵まれました。

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