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2024年08月10日

火野正平とうちゃこ日記(758)2018年秋の旅 北海道 幌加内町 BS日本縦断こころ旅


幌加内町.jpg

寒河江幹です。

正平さん、朱鞠内道立自然公園にいます。
「静かな湖畔の森の陰から♫」と歌いながら登場。
木曜日の地震について簡単に説明。
「被害の大きさにボ〜然としたけど、いつまでも佇んではいられない」
公園のテーブルに座ってお手紙を読みます。

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【ビート畑が広がっていた風景】幌加内町

私が「もう一度あの頃に戻りたいと思う時に蘇る心の風景」は、北海道雨竜郡幌加内町政和第二の、むかし国鉄深名線の政和駅のあった辺りから、今は政和簡易郵便局の西側辺りにあった住居周辺の、当時はビート畑が広がっていた風景です。
私の父は、戦前、戦中は旧樺太庁の役人でしたが、終戦後のほんの些細な罪状で戦犯としてシベリアに抑留され、昭和二十九年になって漸く帰還し 北海道で営林署に勤めました。
政和には警察に例えると駐在所にあたる“担当区事務所”というものがあり、私は四歳から二年間そこで過ごしました。
父はとても子煩悩で物識りで、おまけに茶目っ気のたっぷりある人でした。その父がある時 至極まじめな顔で、「まだ湯気の立っている、ひったばかりでホヤホヤの馬糞を裸足で踏むと背が大きくなるんだヨ。」と教えてくれました。
父は同年代の中では長身でしたが、母は子供の目から見てもミニマムサイズでしたから、私は父のように大きくなりたいと常々思っていました。
昭和三十五年当時の北海道の田舎では、大量輸送手段としてまだ馬車や馬橇が活躍していました。
ある冬の日、政和駅前で旅館を営んでいて私をとても可愛がってくれていた“みっちゃんおばちゃん”の家に遊びに行こうとしていた私は、政和駅近くにあったビート工場から深川市方面に大きな麻袋を沢山運んでいた馬橇と出くわしました。
立派な脚の大きな馬のお尻から、これまた立派な糞がボトンボトンと落ちてくるのを見た純真な五歳の私は、「これを踏んだら大きくなれる!」と勇んで長靴と靴下を脱ぎ、冷たい雪の上で盛大に湯気を立てている馬糞を力一杯、何度も何度も踏み締めました。温かく湿り気のある糞はちっとも気色悪くはなく、繊維質の感じられるほっこりした質感は、靴下と長靴で防寒していても冷えていた足を包み込んで優しく温めてくれました。
その事実を真っ先に父と母に報告したくて大急ぎで家に帰ると、お気に入りの靴下と長靴は無残に捨てられ、母は父に対して「馬鹿なことを澄子に教えないで!」と怒鳴って夫婦喧嘩になりました。
馬糞の御利益があったのか 私は身長一六二cmになり、同級生の中ではまあまあの背丈になりました。
いたずらっぽい笑顔の優しかった父、小さいけれど迫力のあったしっかり者の母とのちょっと間抜けな想い出の地を、足軽正平さん 訪ねて戴けませんか?
十年程前、センチメンタルジャーニー訪れた幌加内は、日本一のそばの名産地になって 一面白い花が揺れていました。
北海道の大きさを存分に感じられる道を、チャリオくんと共に疾走してみてください。




「私も牛のうんちを踏むと大きくなると言われたことを覚えています」
地図を広げます。
名寄の近くに朱毬湖があります。
「名寄と深川、昔ここに列車が走っていた?」*1995年廃線
湖を背に坂の途中から政和駅を目指して出発。
「おお涼しい、寒いくらい」
政和温泉36qの看板
「幌加内広いな」
左折して朱鞠内駅の旧駅舎に寄ります。
「鼻冷たい、鼻ジュルジュル」
ハァハァハァ
「どうも」
Bカメにあいさつ。
「景色変わらず」
「あっなんかある、馬橇だ」
馬橇のオブジェがありました。
「昔は働いたんだろうな」
馬に話しかけます。
馬が大木の木を5本ぐらいまとめて引っ張っている構図です。
1本だけ丸太がありました。
「人間が引っ張ってみろということかな?」
正平さん引っ張ってみます。
びくともしません。
周りはソバ畑
「そばは肥沃でなくても育つんだよね」

添牛内に入りました。
昼食にするつもりのお店が閉まっています。
「ここダメだったら、あと9q先になります」
木造の添牛内駅、すでに朽ち果てています。
正平さんチャリオから降りてグルっと一周します。
線路もありません。
閉ざされた入り口のドアに何やらノートがありました。
「何かと思えば思い出ノート、2017年〜」
正平さん開いて読み始めます。
「正平さんチャリオ君スタッフの皆様こんにちは。港区六本木」
正平さん、揮毫します。

再び走りだした一行、緩いカーブを曲がる一行をCカメがとらえます。
「景色変わらず、狐だ」
子狐が道の真ん中で辺りをうかがっています。
しばらく行くと
「新そばって書いてある」
お店を発見。
店に入って撮影許可をもらおうとすると
「あら」
「ダメです」
となんとダメ出し。
何とか説得してお昼にありつきます。
席で待っていると
「あら、やっぱり。私何年か前深川でテレビに映った」*2012年127日目の旅
「ちょっとレトロなお店。思い出した、大坂から来て」
カメラが近づきます。
「もうやめといて、あん時もすっぴんでひどい目に遭ったから」
そばが出来上がりました。
「あ〜うまいわ。なくてもいい歯ごたえがある」
少し行って左折したところに紅い屋根の政和駅がありました。
飯処になっていましたがそのお店も今はやっていません。
地元の方に簡易郵便局の場所を聞くと、ちょうど通りかかる簡易郵便局の大平さん。
「ついていけば大丈夫」
ということで女を追いかけるのは得意な正平さん。
簡易郵便局がありました。
「今はソバばかりですよね」
ビート畑の場所を聞こうとします。
あの角を曲がればと教えてくれました。
「本ものすごくうれしい」
少し道を戻って左折して、ソバ畑越しに紅い政和駅の屋根と白い簡易郵便局が見える場所にとうちゃこ。
オレンジの椅子に座ってお手紙を読みます。

👇 ちょっとブレイク ⇒ 林家ぺー余談ですけど

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posted by 寒河江幹 at 22:28| Comment(0) | こころ旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする