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2024年08月11日

火野正平とうちゃこ日記(759)2018年秋の旅 北海道 増毛町 BS日本縦断こころ旅


増毛町.jpg

寒河江幹です。

2018年秋の旅、765日目は増毛町です。
「わ〜おはようございますです。増毛にいます」
テロップに千望台。
「あの海の上に板がふたつ浮かんでいるんだけど左が天売島、そこは行った。右が焼尻、右側に薄く見えるのが利尻富士です」
「いいお天気、こんなにみえんのもめずらしいんだよね」
「気持ちいい、暑くもなく寒くもなく」
海を背景にベンチに座ってお手紙を読みます。

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【国道231号 別苅古茶内から右手に見えてくる風景】増毛町

私の「こころの風景」は、生まれ育った増毛町にあります。
留萌方面から札幌へと向かう国道231号線(通称オロロンライン)増毛の市街地を抜けた別苅古茶内の増毛ホテルを過ぎ、右手に見えてくる風景がそうです。
私が子供の頃、そこから見える岬の向こう、雄冬は、陸の孤島と呼ばれ、船でしかいけない場所でした。
ですから、幼い私にはなんとなく、あの岬が世界の果てでした。
その国道も開通し、今では私の住む札幌から増毛までは、車で2時間もあれば行き来できるようになりました。
幼い頃に世界の果てだと思っていたその向こうから、しかも自分の運転で。
小さな頃の私に教えることが出来るなら、さぞ驚くことでしょう。

私の母は、65歳の誕生日の翌日に、認知症と診断され、早いもので10年以上の歳月が流れました。
母は2年前から、隣町、留萌市の施設で、職員の方たちのお世話になりながら静かに暮らしています。
この10年、娘の私のことすら忘れていくであろう母と、その母を支える父に少しでも寄り添いたくて、幾度となく通うこの道。
まだ母の症状がおだやかだった頃は、この風景が見える近くのラーメン屋さんによく三人で行ったものです。

少しずつ日常のことができなくなっていく母を、受け入れることが出来ずに葛藤したあの頃、病気なんだとわかってはいるのに、つい母に心無い言葉をぶつけたこともありました。
そんな日の帰り道、ここから見える景色に、お母さんごめんなさい、と何度懺悔したことか。
そんな日々さえ懐かしく思えてくる今、母は話しをすることもできなくなり、私が会いに行っても、目を開けることも少なくなりました。
もう一度、母とおしゃべりがしたいなあ、もうすぐ50歳になる私だからこそ話せることもいっぱいあるのになぁと思います。
せめて、両親に会いに行けるこの日々、この帰り道の風景が、一日も長く続きますように。
それが私の今の願いです。




地図を広げます。
雄冬岬があります。
「昔は浜松漁港から雄冬岬は道がなかったんです」(監督)
出発。
「右出る?左出る?」
「右です」
スタート。
すぐに下り坂です。
「もったいないからゆっくり行こう」
坂を下りきると留萌の街です。
下って来る一行をBカメがとらえます。
平屋建ての住宅や、鉄筋コンクリート造りの公営アパートが並びます。
国道231号線に出ました。
オロロン街道です。
またゆっくり下り坂。
遠くに雄冬岬が見えます。
増毛町に入りました。
「あれ?」
速度を緩めます。
「何線の跡だ?」
正平さん止まってトンネルを見ます。
「これは留萌本線、2016年2月に廃線になりました(監督)
ニシン街道ともいうらしいです。
「ニシン御殿ある」
長い一本道です。
「休憩しませんか?」
あるお店の近くで休憩。
正平さんオートバイライダーの横を抜けて海に出ます。
大きな石がゴロゴロあります。
釣をする多くの人々が見えました。
沢山のリールが立っています。
ある釣り人に声をかけました。
「何を狙っているんですか?」
「鮭、まだとれていない」
とつれない返事。
ここの主みたいな人に声をかけます。
「なんの番組だ?」
「旅の番組です。速く釣って」
「あんた簡単に言うもんじゃねえんだよ」
「でかいの見せてよ」
「1週間あってもボーズは坊主だ」
と帽子をとります。
正平さんも
「俺も」
と帽子をとりたいのですがヘルメットなのです。
「そのヘルメット、パイナップルみたいなヘルメットだな?」
「いや〜格好悪いといったんだけどね」
「チャリで来たの?」
「全員」
そこではじめて正平さんに気付きました。
「や〜や正平さんプレイボーイだからな。俺は舎熊のカールルイスと言われてんだ」
正平さんとわかって握手して別れます。
「風邪ひくなよ」

「これが昔の増毛駅」(監督)
「ここから留萌〜深川まで留萌本線です」
富田屋旅館という木造3階建ての老舗旅館も朽ち果てています。
橋を渡ると別苅地区に入りました。
一本道・青い空、古茶内に入りました。
「ホテルはどこだ?」
「通り過ぎちゃったみたいです」
海沿いを行きます。
山が海にせり出しています。
山裾に集落が見えます。
とうちゃこ。
ガードレールに座って再びお手紙を読みます。

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posted by 寒河江幹 at 09:16| Comment(0) | こころ旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする