寒河江幹です。
2018年秋の旅、775日目は花巻市太田です。
正平さん歩いています。「大判小判出る?」発掘調査をしているご婦人お二方に話しかけます。
「おはようございます」花巻市が一望できる場所に来ました。
「花巻城のお城の跡です。ずいぶん南に下ってきました。でいきなり発掘作業してはる」
ベンチに座ってお手紙を読みます。
「出た?出ない?大判小判まだ出ない?」
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【昌歓寺】花巻市
私の心に残る風景は岩手県花巻市太田にある昌歓寺(しょうかんじ)です。
昭和のはじめの頃、朝鮮半島から日本に移り住んだ両親は東京に居を構え、私たち子供8人をもうけ大家族で暮らしていましたが 戦争が激しくなるとともに家族全員を連れ岩手県花巻市に疎開しました。私が小学生の頃でした。
戦争が終わった後もしばらく当地にとどまり、私は高校時代までを花巻で育ち過ごしました。
勝手のわからない土地で8人の子供たちを養うのでさえ大変なのに ましてや戦時中皆が窮乏した時代です、両親の苦労はいかばかりであったことかと思います。
でも、家族思いの両親のもとで兄弟仲良く過ごし、また地元の学校でできた友達たちとも仲良くなり、戦争を避けるための疎開先とはいえ、岩手時代のことは楽しい思い出ばかりです。
その当時の思い出の場所が昌歓寺です。
私たちが通った太田小学校の近くにあり、友達たちと立ち寄っておしゃべりに花を咲かせたりしました。
また、詩人の高村光太郎さんも当時こちらに疎開されており、高村さんを慕って訪ねてくる多くの学生が昌歓寺を宿にして滞在していました。
歴史の古いお寺ですが、今で言えば太田のランドマークのような場所であったと言えるかもしれません。
戦後 世の中も落ち着きを取り戻し、私たちの家族も東京に戻りましたが、私が主人と結婚した年に、両親は隣国でのままならぬ暮らしに終止符を打とうと、朝鮮半島に戻りました。
必ずしも容易でない時代環境のもとで、その後 両親と存命中に再会することは叶いませんでした。まだ二十代で両親と別れることになった私には、花巻は両親や兄弟との思い出の土地です。
仲良く温かった家族の思い出、そしてその土地の象徴であるような昌歓寺。
私はお陰様で子供たちに恵まれ、今年90歳を迎える主人と平穏な日々を送っています。ただ遠出は難しい状況です。
どうか正平さん、私の家族の思い出の土地、花巻市太田と昌歓寺に訪ねていって頂ければ、心から嬉しく思います。
宜しくお願いします。
地図を広げます。
花巻市はすぐに見つかります。
「上根子と轟木(と書いてある地名)の中間あたりが太田になるそうです」(監督)
幼稚園から子供の声が響く中出発。
市役所前を左折します。
少し下り坂になり交差点で一時停止。
「あのデパートで食事しました」(スタッフ)
「デパ食堂いったやつ?」
MARUKANデパート。
「また来たよ」
今回は寄らず、交差点をまっすぐ進みます。
前におじさんが電動チャリで走っています。
その後ろにぴったりつきます。
Bカメもそのおじさんを先頭の一行をとらえます。
叔父さんが歩道に進路を変えると横について
「電動楽ですか?」
と訊きました。
「今は電動にはしていない。そういえばどっかで見たことあるような?」
昼食にします。
仁来坊、
「準備中ですよ」
5分待ちます。
待ちきれず、看板を営業中に変えて中へ入ります。
「ごめんください」
「もしかして火野正平さん?」
「んだ」
辛みそつけ麺を食べます。
一口
「辛」
「すんげ―辛い、辛いけどうまい」
スタッフにも辛さを体験させます。
その方はむせてしまいました。
「ここを右です」
坂の途中で右折します。
「アッ東北自動車道だ」
トンネルをくぐります。
その先には田んぼが広がっています。
「この道を行く」のBGMに乗せてCカメが黄金色の田んぼ越しに通る一行をとらえます。
「岩手でリンゴか?」
リンゴ果樹園がありました。
「稲刈り直後の切り株の匂いがしますね」(監督)
田んぼの交差点で一時停止していると
「あれ?私そこの畑ですけどリンゴ」
と軽トラに乗ったおばさんが正平さんに声をかけます。
正平さん少し戻ってリンゴ果樹園に入ります。
「リンゴの収穫はいつ?」
「3種類は終わったんだけどこれからはジョナゴールド」
おばさんのお話は終わりません。
「旦那は15年前に亡くなって今一人でやってんの。子供たちは他の仕事についてっから私一人だけ。あのリンゴをとるやつ乗ってみっか?」
正平さん、リンゴをとるためのリフトのようなものに乗ります。
エンジンをかけます?かかりません。
「ガソリンもってくるの忘れた」
ガス欠です。
「私の立場どうなるの?」
「これが70歳のあれ(物忘れ)だよね」
「おれも69だよ」
「足鍛えてるから若く見える。私口鍛えてる」
「バカヤロー」
「手と口一緒に動くんですよ」
「がんばってね」
と正平さん握手します。
おばさん、スマホを取り出し写真を撮ってもらいたい様子。
化粧を(するしぐさ)を始めます。
「急に色気ずくんじゃねーよ」
正平さん肩を抱いてあげます。
「心臓ドキドキします」
「俺もだよ」
太田地区に入りました。
広い交差点を直進するとお米がほしてあります。
おだにかけているわけではなく、一本の棒に落花生のように積み上げています。
Aコープ太田を過ぎると
「11時の方角に学校です」
「映してあげましょう」
「太田小学校だよ」
校門前で止まります。
二宮金次郎の像がありました。
「昔もあったかな?場所変わってんのかな」
さらにお寺に向かいます。
「ちょっと怪しい、あやしい、これや」
森のような木々を抜けると門がありました。
「これは遊べる、広いな」
とうちゃこ
昌歓寺は曹洞宗のお寺です。
チャリオを置いて歩いて境内に向かいます。
立派な山門の前に立ち止まり中へ入ります。
本堂の欄間には立派な龍の木彫り。
お坊さんが障子を開けて風を送り込んでいます。
「これは(昔と)変わってないね」
両手を使って急な階段を上り、本堂が見渡せる山門の上でお手紙を読みます。
「まあ立派なお寺。子供が遊ぶには十分すぎる」
👇 ちょっとブレイク ⇒ 林家ぺー余談ですけど
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