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2024年06月08日

火野正平とうちゃこ日記(695)2018年春の旅 佐賀 伊万里市大川町 BS日本縦断こころ旅


伊万里市2.jpg

寒河江幹です。

2018年春の旅、726日目は同じ伊万里市の大川町です。
雨です。
正平さん、ノースフェイスの黄色い合羽を着こんでいます。
「おはよう、伊万里の大平山という所にいます。昨日あそこに行ってきました」
眼下には伊万里湾があり、造船所が見えます。
そしてその先にある七ツ島の「ホゲ岩」も見えます。
「今日の監督さん、6年間雨降られたことないんだって。監督さん10人いてメカニックやらカメラさんやらそれぞれ交代しているんだけど、このスタッフが揃ったのは6年ぶりだそうです」
カメラは公園を映します。
「誰もおらん。ツツジが満開」
東屋のベンチに座ってお手紙を読みます。

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【駒鳴駅】伊万里市大川町

正平さん、是非、私の思い出の深い場所を訪ねてみてください。
その場所は、佐賀県伊万里市大川町のJR九州・筑肥線の無人の「駒鳴駅」です。
どうしてこんなところに駅があるのだろうと不思議になるような寂しく、またのどかなところです。
駅の前に5軒の家があるだけで、あとは見渡す限りほとんど家も見えません。田んぼと山に囲まれた素敵な駅です。
かつて私は、この駅から1km程度のところで生まれて、両親とともに、18歳まで住んでいました。今は、同じ伊万里市内の随分と離れたところに住んでいます。
さて、この駅からは、幼い頃に仲良く遊んでもらった多くの先輩たちの集団就職の見送りもし、私が高校に三年間も通った駅でもありました。私にとって、外の世界へ通じる窓口でもありました。
今となっては、懐かしいこの駅の事が、最初に記憶に鮮明に残っているのは、4〜5歳の頃に、自宅から駅まで母と歩いた日の記憶です。昭和32〜33年頃のことです。
その日の午前中に、父と母は、物を振り上げては、激しい口論をしていました。
しばらくすると母は、和服に着替えて、大きな風呂敷に何やら詰めていたのです。
そのただならぬ雰囲気に、私はその場を離れられずにいました。
そのうち母が風呂敷を持って裏木戸を出て行く姿を見たのです。
「母ちゃん 行かんで」
「もう、あん人には、我慢できん」
「行かんで、行かんで」
と、私は母の和服の袖にすがりました。
母はそれも振りほどいて、駅へ向かうのです。
その道すがら、私が袖を引っ張り続けるものですから、片方の袖が縫い代からちぎれてしまいました。
農道を終えて駅に着くと、駅長さん(当時は常駐しておられました)が 私たち親子の様子を察して、
「お母さん 戻ってやりなさいよ」
と。
私と母は、いくつもの列車をやり過ごしました。
すっかり日が暮れて、母は、
「ごめんね ごめんね」
と。
二人でちぎれた袖を見て、笑いながら家に戻ったのでした。
その後、母は、81歳まで、生涯、父のもとで過ごしました。
いつまでも、懐かしく思い出の深い駅なのです。




読み終えた正平さん、顔をあげると
「母ちゃん家出食い止めた、危なかったなぁ」
としみじみ言います。
「駅長さんも察した、(4歳の頃のこと覚えているのは)印象が強烈だったんだなぁ」
出発、雨に濡れた太平山からのアスファルトの坂道を下ります。
「あれっ、さっきより見えなくなっているぞ」
山裾が白い霧に覆われています。
「高速の高架下に止まりましょうか?」(監督)
「ここがいい」
とチャリオを止めて雨宿りしたところは、お地蔵さんが鎮座している小屋でした。
「しずかやなぁ、水の音」
雨がアスファルトの水たまりに降り注ぎます。
正平さん、しばらくすると外に歩いてアザミを一本持ってきてチャリオのバッグに忍ばせます。
「お邪魔しましたね」
再び出発。
「こころ手紙」のBGMに載せてBカメは茶畑越しに川の側道を通る一行を映します。
雨で小さい川の水があふれています。
「まるで沈下橋です」
側溝沿いの細い道を走ります。
田や畑の中の細いくねくねした道を通っていきます。
「この先に橋があるんですが、(水があふれて)通れないようだったらストップしてください」(監督)
その橋は沈下していませんでしたが、その橋を通ったときその川は濁流のように速い流れです。
「自転車ってどこへでも行くんだなチャリオ」
「カエル鳴いてる」
正平さんはチャリオを止めてしばしの間カエルの鳴き声に耳をそばだてます。
辺りを見回してカエルを探しますが
「見えたためしがないんだよ、1時間くれたら見っけるけど」
バグパイプのBGMがかかりBカメがロールしてある牧草越しに通り過ぎる一行をとらえます。

大きな道路に出ました。
昼食にします。
「カニの焼き飯と酢豚」
酢豚を小皿によそってさらに酢をかけます。
「酢酢豚です」
正平さんのところにお爺さんがやってきました。
「お名前なんじゃっとですか?」
「役所広司」
「そうそれが思い起こせんかった」
と言って去っていきます。
大きな道路、雨の中の緩い上り坂です。
「ちょっと休憩」
辺りを見回し、急に
「五月みどりさん知ってる?」
とスタッフに話しかけます。
「今ちょっと(木々の)黄緑見てね」
レンズが雨で曇ります。
「雨でグリーンがうれしいこと」
残り1q地点です。
またカエルの声が聞こえます。
「60年近く前だからね」
お手紙には駅まで1qぐらいのところに住んでいたと書かれていたので、このあたりから駅まで歩いたのかなと想像しています。
田の中の一本道です。
「アッあそこに駅がある」
そろりそろり近づきます。
駒鳴の標識、そして今は無人の駅にとうちゃこ。
自転車置き場にチャリオを置いて駅のホームに歩きます。
今は駅舎もありません。
時刻表を見ます。
「あと41分であっちから次の列車が来ます」
黄色列車が一両車両でやってきました。
ホームに止まりドアが開きますが、だれもおりません。
正平さんも乗りません。
通り過ぎていきます。
「(カッパと)同じ色してた」
何本も見送ったホームのベンチに座って再びお手紙を読みます。

「佐賀2日目で雨が来た、ほんじゃね」
正平さんが立ち去った後には、ツツジ咲く駅のホーム越しに家一軒も見えない田園とその先の雨に煙った山々が見えます。








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posted by 寒河江幹 at 05:31| Comment(0) | こころ旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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