火野正平とうちゃこ日記（734）2018年春の旅 京都 亀岡市 BS日本縦断こころ旅

寒河江幹です。

2018年春の旅、751日目は亀岡市です。
「200円儲けた。1枚50円でサインした」＊テロップにウソですと表示。
「おはようございます。和知という駅にいます。山陰線『ちょっと静かに』」場所を移して道に出るとどこかのおっさんが「どっから来よった？福知山か？」となれなれしく話しかけます。
再び場所を移して駅前のベンチでお手紙を読みます。

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【保津川にかかる高橋】亀岡市

わたしの思い出の場所は、保津川に掛かる小橋＜こばし＞（高橋＜たかばし＞）です。保津大橋の下の小さい小さい橋です。
洪水の時には沈んでしまう橋ですが、住民にとっては生活に欠かせない大切な橋です。
わたしの実家はすぐ近くの山の中腹にあり、小さい頃この辺りでよく遊び、家族でホタルを見に行ったこともあります。
河川敷の工事がずいぶん進んできれいに整備されてきましたが、高橋＜たかばし＞は昔ながらの姿を残しています。
保津川下りの舟がこの小さい橋の下を通るときは、橋脚の幅が狭く低いので迫力があります。
この橋に馴染んでいる地元の人は、車で渡ることができます。
わたしも幼いころから親しんでいる橋なので、車で渡ります。
しかし、幅が狭いのでとてもスリルがあります。
実家からの帰り、もうすぐ87歳になる母がいつも
「高橋＜たかばし＞、渡らんときや、危ないで！」
と心配して言ってくれます。
｢うん、渡らへんよ｣
と返事をしつつ、たいてい渡って帰るわたしです(笑)。
でも、気をつけてゆっくり渡ります。
渡るとき､もう一つ気をつけていることは、保津川下りの舟が橋の下を通過しそうなときには、橋の手前で待つことです。
舟の上を通るのは、失礼だなと思って。
わたしにとって、保津川下りと高橋＜たかばし＞は、ふるさとを思い出す大切な風景です。
　正平さん、一度来てみてください。きっと保津川下りの舟の皆さんに手を振りたくなりますよ。

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読み終わると正平さんの頭の上の窓が開いて、おっさんが話しかけます。
「和知の花って何？」（正平さん）
「山百合、あなたのような山百合」
「どういう意味？」
「枯れかかってんね」
「しばくぞ」
「禿の奴は悪いやつばっかりや」
「どつくぞ」
そんな漫才のような会話を交わした後、出発前に正平さんはどうしても訪れたい場所がありました。
7年前、こころ旅4日目に昼食で訪れたお店の看板娘のおばあさんです。
その方は玄関先で息子と一緒に待っていてくれました。
正平さん思わず抱きしめます。
「懐かしいねぇ」
「元気でおりや」
息子さんが、（もう母は）あまり遠くへ行けないので連れて行ってほしと、星形の水晶のネックレスを渡します。
「長いことこの番組をやっていると、いろんなことがダブルな」
ＢＧＭに正平さんの歌。

ＪＲ山陰本線、和知から八木駅まで輪行。
和知駅ホームに立つと、入口に4人のおば様方がお見送り。
「見てますよ」
「今度選挙出るからよろしく」
「若い女の子がいないから残念ですね？」
「ほんまやで」とぼやいてきた電車に乗り込みます。
八木駅に着くと駅まで昼食。
なかなかの老舗です。オムライスを注文。
レトロなオムライスです。
音声さんが天ぷらうどんキツネ入りを「どうぞ」と勧めますがなぜだか拒絶する正平さん。
5〜6人に見送られ八木駅前から出発。
9号線を横切り八木の商店街。
「お空が泣きたいのを必死でこらえています。まだ泣いたらあかん」
昔の街道にはいりました。
Ｂカメがだいぶ高いところから街道を走る一行をとらえます。

千代川駅前です。
「京都の仕事の時そこの川でよくロケした」
裏道を通って踏切で遮断機が下り特急が通り過ぎます。
Ｃカメが田んぼ道を通る一行を映します。
「あれが土手。あの河川敷とかでよくロケした」
レンズに雨粒がつきます。
桂川沿いを走ります。
「結構でかい川でしょ？」
「そうですね」
保津川下りのビルがあります。
土手に上って始発の様子を見ます。
「今舟出ますか？」
「増水で休んでいます」
ビルのロビーに行きます。
切符売り場に「増水のためおやすみ」という文字を確認しどうしても舟を見せたい正平さんは、案内にやってきた男性にポスターを紹介されます。
「今から30年前、3月10日の川開きの写真に正平さんが映っていて、特別ゲストで来られたんでしょうね？」
「特別ゲストってやめて」
照れる正平さん。
外に出てその男性は「伝説のチャリオ君」と対面。
「ホンマや、あれが伝説やね」
と感激しています。
雲が低く垂れこめ、曲がりくねった道を行くと高橋はありました。
とうちゃこ。
川は確かに増水しています。
正平さんは歩いて渡ります。
一台のライトバンが来て細い欄干のないその橋を渡っていきます。
堤防に座って再びお手紙を読みます。

「お空さん、ようもってくれた」
伊小生よく流れる川の音がします。

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